恋想曲 ~永遠の恋人へ~
女の子は恋をすると、先を見てしまうって聞いたことがある。

その時の私は、今が良ければそれでいいじゃないって思ってた。



だけど、恋をしてる今ならわかるよ。



この幸せが永遠に続きますようにって願ってしまう。



今、こんなに幸せなのにね…。





ノートを木に戻した遼ちゃんの手が、もう一度私の手に触れる。


今度は指の間に指を入れて、さっきより近くに感じる。


私はドキドキしながら遼ちゃんの横顔を見た。



「遠回りしよっか」

遼ちゃんのいたずらっぽく笑う瞳が、私の胸を掴む。






川の流れる音が優しく聴こえる。

月が雲に隠れ、星の瞬きが輝いて見える。


「あれ…光ってない?」

足を止めて遼ちゃんが川沿いの方を指さした。


「ほんとだぁ!」



ゆらゆらと動く小さな光。

よく見ると、光が二つ、三つと増えていく。



「あれって蛍だよね!?私、初めて見た!遼ちゃんと見れるなんて嬉しい!」


「俺も、すげー嬉しい!」


遼ちゃんの手に力が入り、私も握り返した。



「すごい嬉しい…」



遼ちゃんのもう一度嬉しいと言った表情がとても優しくて

また私の胸は掴まれる。











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