恋想曲 ～永遠の恋人へ～

サブローが遼ちゃんの背中に乗ろうとして、倒れこむように遼ちゃんが座り込んだ。

「おまえ、すごい力だなー。よしよし、甘えてるのか？」



外の騒がしさに気づいたお母さんが玄関から顔を出した。


「葵、帰ってたの？あら‥遼君？遼君よね？」

「はい、お久しぶりです」


慌てて遼ちゃんは立ち上がり、お母さんに向かって頭を下げた。


「本当に久しぶりねー。あの遼君がこんなにかっこよくなってたなんてお母さんびっくりだわ」


お母さんは、照れたように髪を整えながらサンダルを履いて出てきた。



お母さんなんで照れてるの！？

やめてよ～～。


笑顔で遼ちゃんの顔に釘付けになってるお母さんに、目で止めるよう合図したけど全然気づかない！

も～～、恥ずかしいから早く中に入ってよ～！



私の心を読み取ったのか、遼ちゃんは私を見て笑ってる。



そんな遼ちゃんを、お母さんは嬉しそうに「うちに寄って行って」って家の中へ入れた。