恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「ゴホン。ではでは、これから三年生の引退パーティーを始めたいと思います」


新部長になった山崎先輩が、少し照れながら挨拶をした。


「引退と言っても冬には定期演奏会があり、またみんなで演奏できるので、今日は寂しい思いはせずにいっぱい食べて、おもいっきり楽しんじゃいましょう!
では、みなさんグラウンドに移動して下さい」


「グラウンド?」

「どういうことだろうね?いつもはオードブルを注文して音楽室で食べるのに‥」


三年生は不思議そうに顔を見合せてながらグラウンドへ向かった。



グラウンドに行くと、火の当番をしていた砂山先生が立ち上がった。


「おまえら遅いぞ~」


「すみません。先生のかっこよかった姿をみんなで話してたもんだからつい…」


山崎先輩の言葉に悪い気がしなかったようで、砂山先生は黒い炭のついた軍手で鼻を擦った。


「あ、先生真っ黒!」

「あ!?どこだ?ここか?」


相変わらずの砂山先生に、みんなは嘘をついて顔中炭だらけにした。



野球部とサッカー部が休みのグラウンドに、明るい笑い声が空高く響いていた。
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