恋想曲　～永遠の恋人へ～
昼休みになると、教室で男子生徒が早速神崎先生の噂話を始めた。


彼氏はいないらしいとか、

家はお金持ちで、神崎先生のお父さんは教育委員会のお偉いさんらしいとか。


どこからそんな情報が入るのか不思議なくらいいろんな噂で教室中が盛り上がってた。



「俺はああいうタイプ、なんかいやだな」

お祭りで声をかけてくれた田中君の言葉に多くの男子が驚いた。


「え！？おまえ本気で言ってんの？神崎先生こそ女の中の女って感じだろ」

「俺はもっとやんわりした人がいい。なぁ、信汰はどう思う？」

「俺！？」


突然話しをふられた信汰は、一瞬すごく驚いたけど首を傾げながら答えた。

「俺は…犬みたいな人がいい。猫より犬が好きだから」

「はぁ？？信汰なに言ってんだ？今、女の話してんだぞ！？」

「うん、俺もそのつもりだけど‥」


みんなが首を傾げてる中、信汰はおやつのポッキーを食べ始めた。


「信汰っておもしろいね」

「うん、ホントおもしろい。きっと今のは天然だよね」

「私もそう思う」


離れた席で麻衣子と信汰を見ていると、信汰が視線に気づいてポッキーを差し出した。


きっと私達がポッキーを欲しがって見てたと勘違いしてる。

可笑しくて吹き出しちゃった。


笑いだした麻衣子と私に、もう一度ポッキーを差し出す信汰を見て、私と麻衣子は大笑いした。


可笑しすぎるよ‥信汰。



自然と私を元気にしてくれる信汰。


いつまでもこんな風に三人仲良しでいたいと思った。



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