恋想曲 ~永遠の恋人へ~
教室に入ると真っ先に麻衣子が声をかけてきた。

「渡せた?」

「うん。すごく喜んでくれた!」

「よかったね!」

「ありがとう。今度斎藤先輩の誕生日聞かなくちゃね」

「斎藤先輩の誕生日、先月だったんだって‥」

「そうだったの!?」

「さっき信汰に聞いたんだ~。ついでに私の気持ちも話したらあいつなんて言ったと思う?『とんだ人をを好きになったな』だって‥失礼しちゃうわよね!!」



赤く脹れた麻衣子の顔がかわいかった。

最初の斎藤先輩の印象を麻衣子は忘れたのかな?

あんなにいやがってたのに、好きになっちゃうと目の前の姿しか見えなくなっちゃうんだね。


目の前の麻衣子が輝いて見えた。



ついこの間までの私もそうだったのかもしれない。

目の前の遼ちゃんが好きで、それが遼ちゃんの全てだと思ってた。



そういえば、放課後遼ちゃんはどこに一緒に行こうとしてるんだろう…。

学校に着くまで何回も聞いたのに教えてくれなかった。

もしかしてプレゼントのお礼のデート‥?


そんな想像を膨らませてた。




午後の数学の授業が始まるまでは…。








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