恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「さっきの神崎先生、絶対いやがらせだよ!
あんな問題、誰も解けるわけないのに和田は嘘言ったんだよ!」


怒らない私のかわりに麻衣子が怒ってる。


友達ってありがたいな…。

麻衣子のおかげで気持ちが少し落ち着いた。





「北島、あんな態度とりやがって神崎先生のこと嫌ってんだろ?」

神崎先生のことが好きな和田君がズカズカと歩きながら言ってきた。


「別に嫌ってるわけじゃないよ」


「嘘つくな。北島の彼氏と先生の噂、みんな知ってんだぞ。
これ以上先生を傷つけるな!」



和田君の怒鳴り声に体がビクッとなると、目の前に信汰が現れた。


「和田、なにも知らないくせに勝手なこと言うな!」



和田君の胸ぐらを掴んだ信汰の顔は、今にも怒りで爆発しそうだった。


初めて怒った信汰に驚いた和田君は、チッて舌を鳴らして教室から出て行った。




「葵、あんな奴の言うこと気にすんなよ」


「うん。ありがとう…信汰」


「今まで信汰のあんな姿見たことなかった。
やっぱり信汰も男なんだね」


「はあ?麻衣子なに言ってんの?俺は生まれた時から男です」


「そんなことはわかってるわよ!!」





麻衣子と信汰のおかげで助かったよ。


今の私、自分でも情けないくらい落ち込んでるから…。




「トイレ行ってくるね…」


次の授業が始まる前にトイレに向かった。



歩いていると、遠く前に二人の姿がある。




その姿は、



遼ちゃんと神崎先生だった。












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