恋想曲 ~永遠の恋人へ~
二人は黙って資料室に入って行った。



資料室…。


昨日、遼ちゃんと私が抱き合った場所だった。



どうしてそこに、神崎先生と入るの?





私は不安を押し殺しながら資料室のドアをそっと開けた。




遼ちゃんの背中が見える。



背中を抱きしめる神崎先生の手…。




遼ちゃんはその手を振り払わなかった。






見たくない!!






溢れだした涙にかまわず走りだした。




たどり着いた場所は音楽室。


あんな二人を見たのに、それでも遼ちゃんを求めている私がいた。




「遼ちゃ‥ん…やだよぉ…、私を一人にしない‥でよぉ…」




胸が張り裂けそうだった。





これが私の弱さ…?



だから遼ちゃんは自由になれないの?









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