恋想曲 ~永遠の恋人へ~
校舎に戻った私は、買ったジュースを家庭科室の冷蔵庫に入れて教室に向かった。


すると麻衣子がエプロンを外しながら教室から出てきた。



「葵、そろそろ音楽室に行こう」


「うん、そうだね。この紙コップ渡してから行くから先に行ってて」


「じゃあ、先に行ってるね!」



買ってきた紙コップとおつりをクラス委員に渡して教室を出た。






今日は体育館でブラバンが演奏する日。

三年生がいない中、みんなで頑張って練習してきたんだ。



階段を上がっていると声をかけられた。


「ちょっといい?」


私をよく睨んでた二年生の先輩だった。



「あんた、もう小川先輩にちょっかい出してないんでしょうね?」


ちょっかい?

私がいつちょっかいだしてたっていうの!?



むっとして二年生を睨み返した。



「そんなことしてません!」


「あんた、噂どおり生意気だねぇ。痛い思いしたいの?」



二年生に手首を強引に掴まれた。


その手を振り払おうとすると、階段の上から声が聞こえた。








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