恋想曲 ~永遠の恋人へ~
音楽室に入ると仲間がいる。


麻衣子と信汰…。


大好きな友達と先輩たち…。




気持ちを切り替え、演奏をするために体育館へ移動した。





演奏を始めると、まばらだった生徒たちが集まってきた。


久しぶりにブラバンの三年生の姿が勢ぞろい。


嶌田部長はお姉ちゃんと手をつないで聴きに来ていた。





そして遼ちゃんは…



自然と遼ちゃんを捜してしまう私。


遠くにいる遼ちゃんを見つけたよ。




遼ちゃんの隣には…


神崎先生。



二人の手は、私のクラスのメイドカフェで使ってる紙コップを持っていた。




遼ちゃん、約束どおりカフェに来てくれたんだね。

神崎先生と一緒に…。




遼ちゃんが前に進めて良かった。


やっぱり、私はさよならをして良かったんだ…。




目に涙が溜まって楽譜が見えなくなっちゃうよぉ…。


しっかりしなきゃ。


強くならなきゃ。


遼ちゃんがこんな私に気づいたらまた苦しめちゃうもんね…。



私は大丈夫。


大丈夫だよ…。





涙を流さないまま演奏が終わった。

ブラバンの三年生は、他の人たちの拍手が止んでもずっと拍手をしてくれていた。


私達はその拍手を、心の底から喜んだ。










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