恋想曲 ~永遠の恋人へ~
おじいちゃんのことを『万作さん』と呼ぶおばあちゃんは
今でもおじいちゃんに恋をしているんだと思う。
おばあちゃん、素敵な恋をしてるんだね…。
「おばあちゃん、私のお父さんは玄さんとの子なの?」
おばあちゃんは静かに首を横に振った。
「空襲がきた時…おばあちゃんお腹の子を守りきれなかったの。
だから万作さんとの子供ができた時、あの時のお腹の子の分までこの子を愛していこうって万作さんと誓ったのよ」
「そうだったんだ…」
私はそれ以上何も言えなかった。
おばあちゃんは、たくさんの命をみてきたんだね…。
愛する人を守るために消えていった命。
生まれてくることができなかった命。
生きるために必死に戦った命。
愛する人を思い続ける命。
おばあちゃんは、
生きる喜びも悲しみも、いっぱい知ってるんだね。
考え込んでる私に、おばあちゃんが微笑んで聞いた。
「葵ちゃんは素敵な恋をしている?」
私は答えられなかった。
私…素敵な恋してるのかな…?
遼ちゃんのために別れた私の恋は、素敵なのかな…?
「葵ちゃん、素敵な恋をしてね」
そう言って、おばあちゃんは優しく微笑み部屋に戻って行った。
今でもおじいちゃんに恋をしているんだと思う。
おばあちゃん、素敵な恋をしてるんだね…。
「おばあちゃん、私のお父さんは玄さんとの子なの?」
おばあちゃんは静かに首を横に振った。
「空襲がきた時…おばあちゃんお腹の子を守りきれなかったの。
だから万作さんとの子供ができた時、あの時のお腹の子の分までこの子を愛していこうって万作さんと誓ったのよ」
「そうだったんだ…」
私はそれ以上何も言えなかった。
おばあちゃんは、たくさんの命をみてきたんだね…。
愛する人を守るために消えていった命。
生まれてくることができなかった命。
生きるために必死に戦った命。
愛する人を思い続ける命。
おばあちゃんは、
生きる喜びも悲しみも、いっぱい知ってるんだね。
考え込んでる私に、おばあちゃんが微笑んで聞いた。
「葵ちゃんは素敵な恋をしている?」
私は答えられなかった。
私…素敵な恋してるのかな…?
遼ちゃんのために別れた私の恋は、素敵なのかな…?
「葵ちゃん、素敵な恋をしてね」
そう言って、おばあちゃんは優しく微笑み部屋に戻って行った。