恋想曲 ~永遠の恋人へ~
お腹が大きくなった私と遼ちゃんは、

出産予定の病院で開かれる父親教室に行った。



遼ちゃんは赤ちゃんと同じくらいの重さをお腹につけて、

『こんなに重たいの!?』って驚いてた。


陣痛を和らげるために腰やお腹を擦ったり、呼吸法の練習もした。



病院の帰り道、同じと時計を付けた手を繋いで歩いていると、

遼ちゃんは『母親って強いんだな‥』って呟いた。



そして、私に優しく微笑みかけて言ったんだ。


『葵、俺達ずっと一緒にいような。
俺、葵も生まれてくる子も絶対幸せにする』




私達は微笑み合った。




これからの未来を想像しながら…。










だけど、


その未来は奪われた。









声を出す間もない出来事に



私達が想像していた未来は奪われたんだ。











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