恋想曲　～永遠の恋人へ～
久しぶりに聴くブラスバンドの演奏…。


始まるまで少しドキドキしていたけど、

意外と平然と聴けている私がいた。





懐かしいな…。


私もあそこにいたんだ…。



柔らかいメロディーが、私の頬の筋肉を和らげてくれた。




3曲の演奏が終わり、客席からの拍手がステージに送られる。


拍手が鳴りやむと、嶌田部長がマイクを持って話し始めた。




「みなさん、今日は私達ブラスバンド部の定期演奏会にお越し頂きありがとうございます。

今年度で廃校になる桜丘高校、みなさんの心の中にいろんな思い出が詰まっていると思います。

今日の演奏会も、その思い出の一つにしていただければ、私達は最高に嬉しいです。

どうか、最後まで思い出と共に演奏を楽しんでいって下さい」




嶌田部長の言葉が、客席にいるみんなの心に響いた。


ステージにいる生徒たちの心にも…。




会場全体が同じ思いでいるようだった。









< 306 / 326 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop