恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「遼ちゃん…どうして言ってくれなかったんだろう…。
ずっと‥柏木先輩だと思ってた…」


「合宿の時、遼が俺に口止めしたんだ。

『葵の夢を壊したくないから言わないでくれ』って…」






私はどれだけ遼ちゃんに愛されてたんだろう…。




音楽室で再会した時から


そのずっと前から



私は遼ちゃんの深い愛に包まれていたんだ……。





「今の空君と同じように、あの時の遼も葵ちゃんを想いながら演奏してたよ。

きっと…だから葵ちゃんの胸の奥まで音色が届いたんだね…」



柏木先輩は優しく微笑み、空を懐かしい眼差しで見た。






ありがとう、空‥‥




空のおかげで遼ちゃんの愛を知ったよ。



空からの愛を感じたよ。








そして…



遼ちゃんの想いが



空の想いが



私の想いが




胸の中ではっきりと見えるよ……。














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