恋想曲 ~永遠の恋人へ~
お客さんの拍手を聴き、私たちはステージを降りた。



さっきと同じ部屋とは思えない騒がしい控室で楽器を片付ける。



「よかったね~」

「帰りクレープ食べに行こう」

「腹減った~」


いつもの雑談で明るい雰囲気の中、私は違ってた。


ほっとした瞬間……



あれ?

どうして目に涙が溜ってくるの?


込み上げてくる熱いものが収まらず、

誰にも気づかれないように控室を出てトイレに向かった。



トイレどこだっけ?


広い廊下を歩いていると、視界がどんどん霞んでくる。



どうしよう…

こんな所で泣くなんて…最悪。



行き止まりになった階段の端に座り、顔を伏せた。



早く落ち着いてみんなの所に戻らなきゃ。

こんなことなら、麻衣子に声かけてから来るんだった…。






!!



誰か近づいてくる…


誰?






人の気配を感じ、恐るおそる顔を上げると



目の前には、遼ちゃんがいた。






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