恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「何やってんの?」

声と同時に背中にぬくもりを感じ、後ろを見上げると…


遼ちゃん‥‥の顔!!!


「ひぃ!」

あまりの近さに声がうわづる。


前には先輩たち、後ろには遼ちゃんがいて身動きがとれないよ!



「何やってるの?」


もう一度、遼ちゃんが質問すると

さっきとは別人の顔で矢野先輩が答えた。


「あ、あの‥北島さんの言葉づかいを指導してたんです」


「ふぅ~ん」



遼ちゃんの声の震動が背中に伝わりドキドキする。



!!




えっ! なに!?


遼ちゃんがクイッと私の制服の裾を後ろに引っ張った。


自然と私の足は後ろに引かれ

遼ちゃんの横顔が前に通りすぎる。



遼ちゃん…?




気づくと私の目の前には

遼ちゃんの大きな背中があった。





< 45 / 326 >

この作品をシェア

pagetop