恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「ありがとね、わざわざ指導してくれて」


ええ!?なんでお礼言っちゃってるの?

私、妬き入れられてたんだよ?


「けど、こいつはいいんだ」


遼ちゃんの言葉に先輩たちの顔が強張った。


「どうしていいんですか!?」

佐藤先輩が眉間にしわをつくり体をのり出した。


私もさっきから遼ちゃんの言ってる意味全然わかんないよ。

どういうこと?



「だって、こいつは‥」


こいつは‥なに?

なんていうの?


ちょっと胸がドキドキする。




「バカだから」



はぁ~!?

バカですと~~!?



「ほら、おまえ下手くそなんだからさっさと練習するぞ!」



え!ええ~~!?



喋る間もなく、私は遼ちゃんに教室から押し出された。


窓越しに見える矢野先輩たちの唖然とした顔。


いいのかな?

このまま行っちゃって‥。



私は軽く会釈して遼ちゃんの後をついて歩いた。





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