恋想曲 ~永遠の恋人へ~
遼ちゃんが職員室から戻り、トランペットの基礎練習が始まった。

メトロノームの音が心地良い。



カチ・カチ・カチ…



この音が鳴っている間は遼ちゃんと一緒にいられる。



トランペットの基礎練習は他のパートより終わるのが遅いんだ。


練習の合間にお喋りしてるのがサボってるようでいやだったけど、

今ならわかるよ。


遼ちゃんはみんなの唇を休ませながら練習を進めてるんだよね。



それに、そのおかげで私は太田先輩と東先輩とも仲良くなれた。




「葵ちゃん、期末試験の勉強は順調?」

優しい太田先輩が声をかけてくれた。


「私、相沢先生の英語が苦手なんですよね」


「あ~、わかる!俺もあいつの英語聞き取れなくて去年追試受けた」


「東は全部の追試受けてただろ。今年は大丈夫なのか?」


遼ちゃんに突っ込まれて東先輩が照れ笑いする。



「試験さえ終われば、夏休みと祭りが待ってるから今日からがんばります!」


東先輩の言葉に遼ちゃんは疑いの目を向けながら笑った。



「そういえば、今年のお祭りの当番校は西山高校ですよね?」

「当番校?」


なんのことだろう‥?


太田先輩の言っていることがわからず目を点にしてると、遼ちゃんが教えてくれた。



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