恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「お兄ちゃんたちも行くって!!」

麻衣子が叫んで大きく手招きした。


麻衣子ってすごい。

麻衣子のおかげで、今日一日ほとんど遼ちゃんと一緒にいられる。

ありがとう。

ありがとう、麻衣子!



4人で歩きはじめた露店は、人がいっぱいで時々逸れそうになる。

足が痛くなってきたけど、遼ちゃんと一緒にいられるならこんなのへっちゃら!



「あ、お兄ちゃん型抜きしよう!」

急に麻衣子が嶌田部長の腕を引っ張り走り出した。


「え!?ちょっと待って‥」


麻衣子が気を使ってくれたってわかるけど、突然すぎてアタフタしちゃう。



あっという間に二人の姿は見えなくなり、遼ちゃんと二人っきりになっちゃった。



何話したらいいんだろう…。


私が戸惑ってるのをよそに、遼ちゃんは平然と露店を見ながら歩いてる。



これって、なんだかデートっぽい。


いつも遼ちゃんの背中ばかり見てたけど、

今日は隣にいる。



普段は早足の遼ちゃんが、ゆっくり歩いてくれてるような気がした。













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