恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「俺、おでん喰いたい。おまえは?」

「私、隣でクレープ買ってくる」


遼ちゃんは先におでん屋さんに入り、私はチョコレートのクレープを買ってからおでん屋さんに入った。



「暑いのによく食べれるね?」

「うるへぇー、演奏したら腹減ったんだよ」


汗をかきながら大根を口にする遼ちゃん。



あ、やばい。
また見惚れてた。


そう思った時にはもう既に時遅し‥

私の視線に遼ちゃんが気づいちゃった!


「なに?」

「あぁ‥んーと」


まさか見惚れてたなんて言えないし‥なんて言おう…??



頭をフル回転で働かせてると、突然遼ちゃんが叫んだ。


「あああ!!!」

「なっなに!?」

「浴衣にチョコ垂れてるぞ!」

「あっ!ホントだ!!」



やだ~、染みになっちゃう!


ハンカチを濡らしに行こうとしたら、遼ちゃんが私からハンカチをとった。



「え?」


遼ちゃんの顔を見上げると、

遼ちゃんは私の足の擦り傷に顎を向けて『座ってろ』と合図した。


そして、ハンカチを濡らしに行ってくれた。










< 71 / 326 >

この作品をシェア

pagetop