恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「君、今年入ったトランペットの子?」

「は・・はい!北島 葵です!」

「俺、柏木です。去年までここでトランペットしてたんだよ」


優しく微笑む先輩の瞳から目が離せなくなる。



知ってます。


先輩がいたから、

私、ここにいるんです。


先輩に憧れて、

トランペットを始めたんです。



「懐かしいな‥」

先輩は、遠い目をして私のトランペットを見た。


その瞳に、私は吸い込まれそうになる。


「もしかして…」


「そう。そのトランペット、俺が使ってたの」



一瞬、時が止まったように感じた。



このトランペットを、柏木先輩が使っていたなんて…



あの音色を響かせたのは


君だったんだね…。




私は、そっとトランペットを撫でた。





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