君と俺の事情
「お待ちー」
「サンキュー♪」
「…ね、早く飲みなよ。冷めちゃうから…」
―カチッ
「…なんで、鍵閉めんの」
「…さぁ、2人の時間を邪魔されたくないから?」
鍵を閉めたとき、不信感を覚えた。
なんか変だって。
でも、気にしなかった。
すすめられて、お茶を口にした。
飲んだ瞬間、あたしはティーカップを床に落とした。
お茶の中に入っていたのは、しびれ薬。
あたしの体は鉛のように、重くて動くことが出来なかった。
「まんまと騙されるなんて、結未は純粋だね」
「てめぇ…ざけ、んなっ」
「…今のうちにそう言っときなよ」
「あ…?」
「結未はこのあと、快楽に溺れんだから」
そう言われたとき、あたしは恐怖感を感じ、反省した。
簡単に男子の家に上がり込んだら、絶対にダメだって。
1対1はとくに。
あのあと、そいつに散々犯されまくった。
無理矢理ヤられるのが、気持ち悪くて。
痛くて。怖くて。
あたしは泣くことしか出来なかった。
あたしを散々ヤった相手。
そいつは集ちゃんと関わってる奴の兄。
そう。
手嶋 紗夜の兄・手嶋 和磨(Kazuma)。