君と俺の事情
「ま、キスぐらいは教えてあげよっか?」
何言い出すかと思えば…そんなこと!?
ヤバイ…ホントにされたら…絶対顔みれない…!
…いや待てよ。
俺…結未姉ちゃんに…キスしたことある…。
「…結未姉ちゃんに、昔キスした…」
「あ〜…子供じみたキス?」
「こ、子供って…」
確かに子供だったよ!
小学校入ってたかわかんないけど!
「大人のキスぐらい知ってていんじゃない」
「で、でも!姉弟同士でいいの!?」
…いや、血の繋がりないけど。
一応形だけ姉弟だし…まずいかな〜なんて…。
「……関係ないよ」
結未姉ちゃん?
なんか今、複雑な顔したよね?
あ、そっか。
結未姉ちゃん達は、俺が他人だって知ってるからか。
だから、姉弟って言われても、困るよね。
「ね、結未姉ちゃん、夕飯冷めちゃ…んっ」
夕飯のこと言おうとした瞬間。
結未姉ちゃんに…キスされた…。
俺の好きな人が…俺にキス…してる…っ。
こ、これ…夢じゃないよね…?
「んん〜!!」
ガチ、息が続かない!
酸素!酸素ください!酸素不足!
「…ばてんの早いよ…」
「ゆ、結未姉ちゃん…」
「ホント、純粋だね。キスぐらいでそんなに赤くして」
「…か、からかわないでよ…」
「…頼むからむやみに、女の家に行かないでね。集ちゃんは汚れてほしくない」
「…わかった。わかったから、夕飯行こ!」
「だね。遊我うるさいし」
結未姉ちゃんは、俺のこと心配してくれてる。
俺が道を外れないように。
結未姉ちゃんが、あんなに怒って俺に教えてくれたんだ。
絶対無駄にしたくない!