君と俺の事情
「集ちゃん!頑張ってね♪」
「結未姉ちゃん」
「名前叫んじゃうからね!」
「うん!」
あのまま、棒立ちしてた俺。
劉に呼び出しを受けて、今ここにいる。
つか、本番30分前。
結未姉ちゃんは最後の最後で、応援しにきた。
遊我兄ちゃんは場所取りをさせられてるらしい。
結未姉ちゃん、扱い悪すぎだよ…。
「上がってくださーい」
「行くぞ!」
「What time!?」
「「It's show time!!」」
壇上に上がると、昨日より多い観客。
遊我兄ちゃんと結未姉ちゃんの姿もあった。
ふと頭を過ぎる。
『真ん中陣取って応援するね』
真ん中…。
気になって、真ん中を見ると。
ホントにいた。
笑って手を振って。
なんなんだよあいつ!
マジ不思議。
何考えてるかわかんないし!
頭の中でごちゃごちゃ、言い争いしてたら、曲が始まろうとしていた。
今は歌うことだけ考えろって、言い聞かせた。
俺らが歌うこの曲【恋の迷路】と【堕天使のKiss】、【種】、【壁の向こう】、【シークレットマジック】の5曲は、みんなで考えた歌詞が注目ポイント。
【恋の迷路】・【堕天使のKiss】は恋愛系。
この2つは、俺が結未姉ちゃんに書いた詩なんだよね♪
だから、結未姉ちゃんに向けて歌うんだ。