君と俺の事情
光を与えてもらった。
あの子“しゅう”って子に。
ガラス玉、まだあたしは持ってる。
たま会えるかもしれないからって。
ずっと大事に持ってる。
ピンクのガラス玉。
あの日から、あの“しゅう”とは違う、集が現れた。
でも、あたしに光を与えたことは、2人の共通点だ。
『君はそれでいいの?』
『わからない』
『変われるはずだよ』
確かに変われたよ。
あんたがいたから。
長瀬集の過去に、あたしの存在はないのかもしれない。
あったとしても、忘れてるかもしれない。
それか、違う人か。
長瀬集、あんたはあのときの“しゅう”なの?
『ぼく、しゅう』
『長瀬 集。よろしく』
同一人物なら、あたし…。あたし…。