君と俺の事情


集side


紗夜が帰ると言い出した。
夜遅い為、俺は送り届けることにした。
紗夜に話したいことがあったから。


「覚えてたなら、どうして言ってくんなかったの」

「いや、確信なかったし」


結未姉ちゃんに拾われる前に、紗夜に会った。
そのとき、紗夜から青のガラス玉をもらった。
俺は首に着けてる。
色んな改造して。


「俺、大事に持ってるよ?」


首にかけてたガラス玉を出して、紗夜に見せた。


「俺さ、紗夜のこと忘れたことないよ?」

「あたしもないってば」

「気の強い子とか思ってたのに、今も昔も変わってないし。弱々しい女子だよね」

「う、うっさい!あんた図々しい!」

「また会えたのが、運命みたいだと思わない?」

「…そうだね」


昔話しをしていたら、いつの間にか紗夜宅に。


「送ってくれてありがとね」

「うん。じゃ、明日」


俺は紗夜が家に入ったのを見てから、歩き出した。

最近、俺はなんか変なんだよな。
無償に紗夜のこと気になるし。
さっきだって、俺ん家より紗夜ん家の方が近いのに、俺ん家に運んだり。
俺、何してんだろ。
俺がおかしくなったの、あんときのキスからだ。
< 55 / 73 >

この作品をシェア

pagetop