君と俺の事情
確かに、結未姉ちゃん怒るよねぇ。
わかるよ。
でもまだ、紗夜を好きだって言ってないじゃん。
ただ気になってるぐらいで。
俺の好きな人は、結未姉ちゃんだし!
「否定し続けると、自分が哀れになるからやめろ。事実を受け止めろ、な?」
「だから、まだ紗夜が好きだって確信はないし!!」
「つか、結未に話し聞かれてたら…まずくね?」
遊我兄ちゃんに言われた瞬間、2人でドアを見た。
外で聞いてたらどうしようと考えながら。
でも、なんとな〜く、嫌な予感はしてるんだよね…。
「遊我兄ちゃん、俺戻るよ。結未姉ちゃん怖いし」
「その方がいいな」
「お休み〜」
小声で話したあと、そっと部屋を出た。
自室にそろりと入り込む。
我ながら、泥棒みたいに思うわ〜。
溜め息をついた瞬間。
後ろからいきなり抱き着かれた。