君と俺の事情

「結未姉ちゃん…？何時からいたの」


話しかけても、返事は返って来なくて。
様子もおかしくて。


「結未姉ちゃん！」

「…渡さないよ」

「え？」

「集は…あたしのだから。あの子には渡さない…」

「ちょ、待って！話し、聞いてたの」

「集はどっちが好きなの！？」


離れた瞬間、結未姉ちゃんは怒鳴る。
悲しそうな顔して。
混乱してるだけだよ。
だって俺、結未姉ちゃんが好きだって、何時も言ってるじゃん。
紗夜はまだ、まだクラスメートラインだし！


「結未姉ちゃん！紗夜は、ただのクラスメートだって！」

「…好きなんでしょ。嘘つかなくていいから」

「だから違うって！俺が好きなのは、結未姉ちゃんだってば！」

「…わけわかんないよ、集って。ホントに」

「結未姉ちゃん？」


顔を覗き込んだとき、結未姉ちゃんは顔をあげて、俺を押し倒した。


「結未姉ちゃん！！」

「…なんか、おかしな気分」


結未姉ちゃんに、キスしたら、結未姉ちゃん治るかな？
ただ純粋に考えた。
だから、俺の方からしようとしたら。


「結未姉ちゃん、キスしたらさ治んっ」


勢いよく、噛み付くようにキスされた。
これで２回目だ…。
結未姉ちゃんにキスされたの。