君と俺の事情
唇が離れたとき、俺の顔に落ちてきた。
「結未姉ちゃん、泣いてるの…?」
「あたしさ、あんたのことずっと前から好きなんだよね。葬式のときから」
「知ってる。態度見てればわかるよ」
あの日からずっと、結未姉ちゃんは俺にベタベタしてきてたし、俺のこと目で追ってたし。
知ってる。
「血が繋がって「結未何してんだよ」
「遊我兄ちゃん!」
「お開きだ。結未、離れろ」
「遊我…!!」
無理やり結未姉ちゃんを引っ張り出した。
嫌がる結未姉ちゃんを無視して。
「お前はふざけてるのか!?例え血が繋がってなくても、集は家族で兄弟だぞ!!」
遊我兄ちゃんは凄い目をして、結未姉ちゃんにキレた。
なんでもかんでも、血が邪魔してるよね。
繋がってる繋がってないにしても。
俺もさ、結未姉ちゃん好きなのに。
好きなのになぁ…。
紗夜に対しての変なん感情が邪魔するし。
よくわかんねぇよ…。
「集、さっと寝ろよ」
「うん」
今更寝ろなんて、ムチャクチャだし。