君と俺の事情
俺の体が動くとおりにしてたら、なぜか紗夜にメールを送っていた。
ただ「起きてる?」って。
もう1時近くだし、普通なら寝てるか。
寝そべった瞬間、着信音が鳴った。
メールじゃなくて、電話の。
ディスプレイには紗夜の文字。
「もしもし」
『なんかあったんでしょ』
「わかるの?」
『なんとなく。声のトーン低いし』
紗夜は観察力あるなぁ。
何気心配してるし。
なんか少しだけ、嬉しいかもしれない。
俺はなぜか、さっきあったことを全て話した。
自分に疑問を持ちながら。
他人になぜ話す必要があるのかって思いながら。
「…大変なんだね」
「ああ。ちょっとね」
「明日、向かいに来てよ」
「なんで?」
「気まぐれに決まってるじゃんよ」
「わかった」
紗夜と2時間くらい話した。
すでに時計は3時を指していた。
あと…4時間寝れるか。
俺は布団に潜り込んだ。
なんか、今日あったこと、全部忘れたい。