君と俺の事情
「なんか用?あ、一緒に帰れないから」
「言いたいことあって」
苦笑いしてるくせに、全然笑ってねぇ。
とりあえず、紗夜の傍に行った。
帰りたい以外になんの話しあんだろう。
あ〜結未姉ちゃんのことかなぁ。
前に色々あったし。
それとも朝の俺のことかな?
話さなかったし…。
「あのさ、あたし、あんたが好きだ!」
「は?」
「だから、あんたが好きだって言ってんの!何回も言わすな!」
俺の耳いかれてないよね?
ああ、空耳っつーやつか?
…有り得ない。
紗夜が俺のこと好きだって?
嘘でしょ、絶対嘘!
有り得ない!
えぇ!?なんで!?
「俺のどこがいいわけ!?」
「…案外優しいとことか。あと…顔」
案外優しいとか何気、傷つくんだけど。
つか、顔ってどーゆーこと!?
理解出来ない!
俺のどこがいいの本気で!!
「待って、じゃ、あんときキスした理由って…まさか」
「好きだからしただけ☆」
語尾に星か音符付いてるかんじ、ちょいとうざいな!
ちょっと待ってね。
俺今、整理中。
訳わかんなくて、ゴチャゴチャだ。
えっと、整理しようか!
紗夜は俺が好き、なんだな?
んで、好きだったから、キスしたと。
…俺、返事返さなきゃだめじゃん。
「返事は今?」
「できれば」
天秤にかけられてる。
マズい。
どっちを取るべき!?
俺は結未姉ちゃんが好き。
紗夜は俺が好き。
俺は紗夜のこと…どう思ってる?
ただ、ほっとけない奴としか…。
「ごめん、考えさして。必ず返事返すから!」