君と俺の事情


結未&冴/俳優と彼氏


「俳優としての冴は嫌い」


だって、あたし以外に笑顔振りまいてるし。
サービスするし。


「でも、彼氏の冴は好き」


彼氏で傍にいてくれる冴は好き。
優しいし、あたしを見てくれる。
あたしがしたいこと、考えてることわかってくれるし。
あたしだけに愛の言葉言ってくれるし。
一緒にいて癒される。安心する。


「結未しか好きじゃないって」

「でもさぁ…」

「約束忘れた訳じゃないだろ?」


4、5年前の話し。
不良として、活発に活動してたときのこと。
めったに家に帰んなくて、むやみに男子の家に上がったり、そんでもって無理矢理やられて、母さん達死んで。
凄くズタボロになってたとき、ずっとあたしを心配してた冴。
俳優としても活動し始めていた冴は、学校へ来る度、あたしに話しかけたり、あたしと出掛けたり、ずっと一緒にいてくれた。
そんな冴がある日あたしに言った。


『結未がホント心配』

『ほっとけよ!』

『ほっとけない。だって、内心ボロボロじゃん。俺はそんな結未見てられないよ』

『べつに!『強がんないでいいよ。俺が結未を守ってやるからさ』

『守る?』

『ずっと一緒にいてやる。弱音も全部俺に吐け!』

『なんでそこまですんの』

『昔から好きだから☆』

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