烏城の陽
「西口、お前に聞きたいことがある」

 遠藤は緩んでいた顔を引き締めて言った。

「先ほどの演説から察するにお前の二次元への情熱はたいそうなものであることは分かった。しかしお前は三次元側の生き物、否が応でもこちらの世界に存在してしまうのだ」

「なんだ、一体。何か言いたいのなら要点を述べろ」

 遠藤は一呼吸置いた。そして私に問う。

「お前の心は二次元・三次元、どちらの女子に揺れるのだ?!」

 このときの遠藤の勢いは凄まじかった。その顔はまるで鬼を踏みつける四天王、いやそのものであったと言っても良いだろう。
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