烏城の陽
「どっちと言われても…………」

 実際私は迷っていた。二次元に愛を求めても叶わぬ、しかしこのつまらない三次元より幻想は輝いている。いやしかし…………

「…………どうやら自分の意見もまとまっていなかったようだな。それでよくあれ程の演説が人前でできたものだ」

 ……ぐうの音もでない。

「ならばこうしよう。俺が今からそれぞれの次元の代表者をお前に見せる。お前が目を奪われた方をお前の意見としようじゃないか」

「ふむ、次元にこだわる必要はないと思うが別に異論もない」

「よかろう。しかしお前がいくら人に説こうとも俺はお前の心は三次元にあると信じている」

「それはどうかな」

「では賭けをしよう。お前が三次元の代表を選んだときには」

「選んだときは?」

「今後俺とお前、二人とも得するような活動をお前に手伝ってもらう」
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