烏城の陽
 遠藤は私の答えを予想していたのだろう。言葉には一切の迷いが無いようであった。

「いい度胸だ。…………準備はいいか?」

 遠藤が左手に裏返した私のPSPを、右手に自分の携帯を持ち、私の前に仁王立ちする。

「どこからでもかかって来い……」

 私も迫り来る瞬間に向けて眉間にシワを浮かべた。

我々の間に初対面の時とは違った様子の沈黙が流れる。
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