烏城の陽
 敗者の言葉は常に言い訳となる。例えそれが正論だとしても、勝者は圧倒的な力を持ってしてそれを砕き、粉々に踏み潰すのである。

 やはり今回もそうであった。


「え、え、え、遠藤!これはどういう事だ!」

 赤面した顔を誤魔化すということもあって、私はあえて大きな声で叫ぶように文句を放った……四つん這いの状態で。

 遠藤はまるで騎馬にまたがっているかのように上から私を見下ろし言った。

「愚か者め!俺は一言も勝負の代表者が裸体ではないとは言っておらんぞ!」

 そして私の前で高らかに笑い声を響かせる。

 反論の余地はなかった。どこか不公平に思える勝負内容ではあったものの、私がいくら追求したところで負け犬の遠吠えにしかならない。



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