純愛☆フライング―番外編―
志穂はキラキラした瞳を巽に向けて言った。

その輝き具合に巽は背筋がぞわっとしたが、念のために聞いてみる。

すると、志穂はとんでもない“お願い”を口にしたのだ。


「たっちゃんのひとりエッチが見てみたいっ!」

「ば、ばかっ! あんなもん見て何が楽しいんだっ」

「わたしのは見たがるくせに……」


男と女は違うだろう! と巽は叫びたくなった。

男の言い訳かもしれないが、女のああいうシーンは可愛いが、男の行為は処理目的以外には何もない。

だが、さすがにこんな大勢の人がいる場所で、大声で宣言するようなことじゃないだろう。

巽が何といって説得しようか、と考えていると、先に志穂が口を開いた。


「2等のフライパンが当たったときだけだよ。すっごい低い確率だと思うんだけど……」


そして何を思ったのか、「さっきの新入社員さんとかだったら何でもしてくれそう。優しそうだったし」などと、巽を挑発しはじめた。


「ああ、優しいだろうよ。女ばっかりのケーキバイキングに、しょっちゅう彼女に付き合って来るぐらいだからな」


志穂の思惑はわかっていながら、巽はついつい口にしていた。


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