純愛☆フライング―番外編―
「だって……コレだと市販のチョコみたいにおいしいでしょ?」
「バーカ。みたいじゃなくて、市販のチョコなんだよ。ウマくて当然だろ」
巽は男の人とは思えないくらい長くて綺麗な指で、ダイニングのテーブルをとんとん叩いた。
どうしてこんなに怒るのかわからない。分離したままのチョコレートや、スプーンが必要そうなチョコクリームを贈るくらいなら、市販のキットを使ったほうがマシだと思った。そのほうが巽も喜んでくれる。そう思ったのに……。
「どうして? どうしてダメなのよぉ。昔だって変わらないでしょ? 市販の板チョコを湯せんして、ハート型に流し込んだだけだよ。白いチョコペンで名前書いたくらいで……」
「気持ちの問題。俺はハート型にTATUMIと書かれただけのチョコが好きなんだよ」
「でも……アレって板チョコと同じ味だし。このチョコキットって、普通のよりおいしいと思わない?」
志穂が深い意味もなしに言うと、
「俺の作ったチョコレートケーキよりウマイってか?」
巽はブスッとして言い返す。
「そうじゃないもん。たっちゃんのケーキのほうがおいしいけど……」
「バーカ。みたいじゃなくて、市販のチョコなんだよ。ウマくて当然だろ」
巽は男の人とは思えないくらい長くて綺麗な指で、ダイニングのテーブルをとんとん叩いた。
どうしてこんなに怒るのかわからない。分離したままのチョコレートや、スプーンが必要そうなチョコクリームを贈るくらいなら、市販のキットを使ったほうがマシだと思った。そのほうが巽も喜んでくれる。そう思ったのに……。
「どうして? どうしてダメなのよぉ。昔だって変わらないでしょ? 市販の板チョコを湯せんして、ハート型に流し込んだだけだよ。白いチョコペンで名前書いたくらいで……」
「気持ちの問題。俺はハート型にTATUMIと書かれただけのチョコが好きなんだよ」
「でも……アレって板チョコと同じ味だし。このチョコキットって、普通のよりおいしいと思わない?」
志穂が深い意味もなしに言うと、
「俺の作ったチョコレートケーキよりウマイってか?」
巽はブスッとして言い返す。
「そうじゃないもん。たっちゃんのケーキのほうがおいしいけど……」