純愛☆フライング―番外編―
きっと親たちは、ふたりを野放しにしておいたら何をしでかすかわからない、と思ったのだろう。

巽は呼び出され、志穂の面倒をみるか、一切関わらないか、の決断を迫られる。


そして、

『兄夫婦のようなデキちゃった婚はしない』

『志穂が自分の意思で結婚できる年齢になるまで男女の関係にはならない』

と約束して、同居を決めたのだった。


しかし、そんな巽の覚悟や、両親の思惑などまったく知らない志穂は、実にノーテンキなものだ。巽が志穂に魅力を感じていない、と思い込み、さんざん誘惑してくれた。

強烈だったのが、今年のホワイトデーだろう。

特製のチーズスフレを持って急いで帰ると、なんと、志穂は巽のベッドでひとりエッチの真っ最中!

見なかったことにしよう……と一旦ドアを閉じかけた巽だったが。

どう頑張っても、終わったころを見計らい帰宅したフリができるような、大人の男にはなれなかった。


(結局、アレがきっかけで……とうとう、ヤッちまったんだよなぁ)


あれから8ヶ月、お互いの親にはどうにかバレずに過ごしている。


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