純愛☆フライング―番外編―
「もう! たっちゃんのイジワル。うーん、だったら1等のハロゲンヒーターでもいいかも」

「ヒーター? 家に石油ファンヒーターがあるだろうが」


大して意識もせず答えた巽に、志穂はとんでもないセリフを返した。


「ハロゲンヒーターって空気も汚れないし、安全なんだよ。赤ちゃんのいる家庭にピッタリなんだから」

「……!?」


志穂の返事に巽は呼吸が止まる。

あと4ヶ月で志穂は20歳。いま通っている専門学校の児童福祉科を来春卒業する。

ただ、そのまま福祉研究科に進み、あと1年勉強するつもりらしいので学生の身分は変わらない。保育士の資格はとったが、彼女の夢を叶えるためには介護福祉士の資格も必要なのだ、という。


(それでも成人は成人だからな。将来は結婚を考えて付き合ってる、と報告してもOKだろう)


なんて、ふたりは話し合っていた。 

それがもし、体の関係だけじゃなく、ベビーまでフライングしてしまったら……。

巽はおっかなびっくりで志穂に尋ねた。


「お前……今、なんてった?」


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