純愛☆フライング―番外編―
「え? ハロゲンヒーターは空気が」

「その後だ!」

「乳幼児やペットのいる家庭にちょうどいいって聞いたんだけど……どうしたの?」

「……じゃなくて。お前、まさかデキたんじゃ」


巽がそう言った途端、志穂は真っ赤になって彼の背中を叩いた。


「ヤダッ! もう、たっちゃんてば。ちゃんと着けてるクセに」

「100パーセントじゃねーだろ。不良品で穴が開いてる可能性だって」


さりげなく妊娠を告げられたのか、と思ったが、どうやら早合点だったらしい。

志穂はさらにバンバン背中を叩くと、


「たっちゃんのエッチィ!」


なんて嬉しそうに言いながら巽の手を引っ張り、ふたりは抽選器の列に並んだのだった。


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