純愛☆フライング―番外編―
   ☆   ☆


「はい。どうもありがとうございます。えっと回数は……3回ですね。どうぞ」


“ラッキータウン”の制服を着たお姉さんがニッコリ笑った。

結局、志穂が2回、巽が1回チャレンジすることになり……。


「あ……残念。あともう1回ありますよ。まだ景品はたくさん残ってますから、頑張ってくださいね……あら?」


志穂が2回ともハズレの白玉を引き、次は巽の番になったとき、係のお姉さんが声を上げる。


「はい?」巽も返事はしたものの、何のことかわからないようだ。

すると、

「あの、そこのホテルのレストランにいらっしゃいますよね?」

「え? ええ、そうですが……」


彼女は小首をかしげて上品に微笑み、


「ホテルのケーキバイキングをよく利用するんです。パティシエさんが実演をなさってるでしょう? ストロベリー・カルディナールが大好きなんです!」


肩までのやわらかそうな髪を揺らして、彼女は嬉しそうに言った。


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