俺様☆キング
悪魔が牙を剥く
【慧side】
今日の音子は、いつもより可笑しい…。いや可笑しいって言うか何か俺に隠してる。
気になって教室に行った。
「おい、音子いるか?」
俺の問いに即反応したのは、いつも音子と一緒に居る友達だ。
「音子なら、そこにいるよ。おーい、音子ー!」
音子は一点を見つめてぼーっとしている。
「…音子っ!」
俺は声を上げた。クラス全体が俺の声にビビってた。
「えっ!? はいっ!!」
音子は肩をビクッとさせて、こっちを見た。
「あっ、慧…」
「んだよ、その反応は」
「あ、ごめん、ごめん」
ぜってぇコイツ何か隠してる。
「な、何…」
「…やっぱ何かあるだろ、言えよ」
「なっ、何も無いって」
俺は音子の手を握った。彼氏なのに頼ってくれねぇのかよ…。
「えっ…」
「俺、そんな頼りねぇ…?」
「っ…。違う、本当に何も無い…」
「信じるぞ…」
「うん…」
少し力無い音子の返事に不安を持ち俺は音子を抱きしめた。
その時は音子が1人で何を悩んでるなんて俺には分かんなかった。
-放課後-
俺はいつもの様に音子を迎えに行こうとした。廊下に出た時だった。
「慧」
聞き覚えのある様な声が俺の名前を呼んだ。
「慧…」
そこにはボブショートで巻き髪の手越乃亜が立っていた。
「…乃亜か…」
「そうだよ…?」
手越乃亜…。それは俺がまだ音子が高校で会う前に付き合ってた女。乃亜とは高校入る前の高校説明会で会って乃亜が一目惚れしたって言って告白されて付き合った。でも俺は音子に出会って乃亜には内緒で「嫌いになった」って言って別れた。
「慧…聞いたよ?」
「は?」
「束岡さんと付き合ってるんだってね…?」
「…あぁ…」
「何で…なのかな…?」
「何でって…」
何でって言われても好きだから…。ただそれだけ。
「…それお前に言う必要あんのか?」
「…私が嫌いって言っておいて、あの子好きになったんじゃないの!?」
いきなり乃亜がキレ出した。
「…俺が誰と付き合おうとお前に関係あんのかよ」
「私の方が可愛いのにっ…。私の方が慧の事好きなのにっ!!」
「悪いな」
「私は慧しかいないの!! 慧に振られて頑張って自分磨きして可愛くなったのにっ!!」
「俺にはアイツしか見えねぇんだよ」
「絶対認めないっ! あの子だけは許せない。絶対別れさせてやるんだからっ!!」
乃亜とは1ヵ月もしないで別れたから乃亜の本性すら見えてなかった。だから今ヤバいって思った。
でも、こんな事考えてる時点でお前は負けだ。
「…お前の負けだ」
「…はぁ?」
「音子は、そんな事考えねぇよ。だから好きなんだ。お前みたいに捻くれてねぇんだよ!」
「…っ!!!」
「言っとくがな、アイツに手出したらお前でも容赦ねぇからな…」
俺は涙ぐむ乃亜を置いて音子の教室に足を向かわせた。
「…捻くれだろうが、何だろうが慧は私の物。絶対にあんなヤツ落としてやるんだからっ!!」
ついに悪魔が牙を剥いたのだった。
今日の音子は、いつもより可笑しい…。いや可笑しいって言うか何か俺に隠してる。
気になって教室に行った。
「おい、音子いるか?」
俺の問いに即反応したのは、いつも音子と一緒に居る友達だ。
「音子なら、そこにいるよ。おーい、音子ー!」
音子は一点を見つめてぼーっとしている。
「…音子っ!」
俺は声を上げた。クラス全体が俺の声にビビってた。
「えっ!? はいっ!!」
音子は肩をビクッとさせて、こっちを見た。
「あっ、慧…」
「んだよ、その反応は」
「あ、ごめん、ごめん」
ぜってぇコイツ何か隠してる。
「な、何…」
「…やっぱ何かあるだろ、言えよ」
「なっ、何も無いって」
俺は音子の手を握った。彼氏なのに頼ってくれねぇのかよ…。
「えっ…」
「俺、そんな頼りねぇ…?」
「っ…。違う、本当に何も無い…」
「信じるぞ…」
「うん…」
少し力無い音子の返事に不安を持ち俺は音子を抱きしめた。
その時は音子が1人で何を悩んでるなんて俺には分かんなかった。
-放課後-
俺はいつもの様に音子を迎えに行こうとした。廊下に出た時だった。
「慧」
聞き覚えのある様な声が俺の名前を呼んだ。
「慧…」
そこにはボブショートで巻き髪の手越乃亜が立っていた。
「…乃亜か…」
「そうだよ…?」
手越乃亜…。それは俺がまだ音子が高校で会う前に付き合ってた女。乃亜とは高校入る前の高校説明会で会って乃亜が一目惚れしたって言って告白されて付き合った。でも俺は音子に出会って乃亜には内緒で「嫌いになった」って言って別れた。
「慧…聞いたよ?」
「は?」
「束岡さんと付き合ってるんだってね…?」
「…あぁ…」
「何で…なのかな…?」
「何でって…」
何でって言われても好きだから…。ただそれだけ。
「…それお前に言う必要あんのか?」
「…私が嫌いって言っておいて、あの子好きになったんじゃないの!?」
いきなり乃亜がキレ出した。
「…俺が誰と付き合おうとお前に関係あんのかよ」
「私の方が可愛いのにっ…。私の方が慧の事好きなのにっ!!」
「悪いな」
「私は慧しかいないの!! 慧に振られて頑張って自分磨きして可愛くなったのにっ!!」
「俺にはアイツしか見えねぇんだよ」
「絶対認めないっ! あの子だけは許せない。絶対別れさせてやるんだからっ!!」
乃亜とは1ヵ月もしないで別れたから乃亜の本性すら見えてなかった。だから今ヤバいって思った。
でも、こんな事考えてる時点でお前は負けだ。
「…お前の負けだ」
「…はぁ?」
「音子は、そんな事考えねぇよ。だから好きなんだ。お前みたいに捻くれてねぇんだよ!」
「…っ!!!」
「言っとくがな、アイツに手出したらお前でも容赦ねぇからな…」
俺は涙ぐむ乃亜を置いて音子の教室に足を向かわせた。
「…捻くれだろうが、何だろうが慧は私の物。絶対にあんなヤツ落としてやるんだからっ!!」
ついに悪魔が牙を剥いたのだった。