俺様☆キング
俺様☆キング
【音子side】
12月23日の夜明け、私は慧と別れを告げた…。
何度も何度も自分自身に『仕方ない…仕方ないんだよっ』って言い聞かせた。
慧の前では泣かないって決めた。最後まで笑っていようって…。でも出来なかったよっ…。
23日、私にとっては一番大切な日…そして最後の日。
…でも慧はなかなか来てくれなかった…。寒かった、寂しかった、悲しかった、会いたかった…。
結局、慧が来たのはタイムリミットを1時間切っていた…。
慧は強く抱きしめてくれた。この感触も匂いも…何もかも終わるんだって実感した。
別れを切り出した私に慧はなかなか受け入れてくれなかった事に嬉しかった。
本当の最後に慧に会えて良かった…。
いっぱい、いっぱい…私を愛してくれて…ありがとう…。
帰りの電車で私は人目を気にせず泣いていた。いくら涙を流しても流しても涙が枯れる事は無かった…。
家に帰るまで…ずっとずっと慧の事を考えていたんだ…。
空からは雪がチラチラと降って来た。
なんで、こんな時に雪なんだろうか…。綺麗な雪は私の心をえぐった。
家に入ると同時に着信を知らせるメロディーが流れた。
ディスプレイを見ると知らない番号だった。
「…もしもし…?」
「あ、音子ちゃーん? あたし乃亜だけどー」
相手は乃亜ちゃんだった。
「な、何で知って…」
「アンタの番号を入手する事ぐらい、乃亜にとって簡単な事なの」
簡単な事って…。乃亜ちゃんって本当何者…?
「そんな事よりさ、アンタ別れたんでしょうね?」
一瞬私の心臓がドキンと鳴った。
…なんだ、そんな事か。
「…うん…」
「あはは、マジぃ~?」
「…うん…」
「もちろん、慧には何も話してないでしょうね?」
「…それは大丈夫。話してないから…」
話せる訳がない…。そんな事したら慧に迷惑がかかるでしょ?
「良かった~、マジ音子ちゃん最高だわ」
…何が…何が最高なのよっ…。私は最低…なんだから…。
「あ、乃亜と付き合う様に言ってくれた?」
「…」
それも言える訳ない…。だって大好きな人が他の女の子と…だなんて…考えたくもないっ!
「…ねぇー、言ってないでしょ?」
「…うん…」
「何やってんの!? また痛い目見たい訳!?」
「っ!! それは…」
「…まぁいいわ、自分でやるから」
「…ごめん」
「ふん、じゃあね、音子ちゃん」
ブチッ…。ツーツー。
「…はぁ、何謝ってんだろ…私」
虚しくケータイだけが光っていた。
私は何も考えたくなくて、そのまま眠りに着いた。
いつか、この傷が癒えると思うから、今は何も考えないでいたい…。
12月23日の夜明け、私は慧と別れを告げた…。
何度も何度も自分自身に『仕方ない…仕方ないんだよっ』って言い聞かせた。
慧の前では泣かないって決めた。最後まで笑っていようって…。でも出来なかったよっ…。
23日、私にとっては一番大切な日…そして最後の日。
…でも慧はなかなか来てくれなかった…。寒かった、寂しかった、悲しかった、会いたかった…。
結局、慧が来たのはタイムリミットを1時間切っていた…。
慧は強く抱きしめてくれた。この感触も匂いも…何もかも終わるんだって実感した。
別れを切り出した私に慧はなかなか受け入れてくれなかった事に嬉しかった。
本当の最後に慧に会えて良かった…。
いっぱい、いっぱい…私を愛してくれて…ありがとう…。
帰りの電車で私は人目を気にせず泣いていた。いくら涙を流しても流しても涙が枯れる事は無かった…。
家に帰るまで…ずっとずっと慧の事を考えていたんだ…。
空からは雪がチラチラと降って来た。
なんで、こんな時に雪なんだろうか…。綺麗な雪は私の心をえぐった。
家に入ると同時に着信を知らせるメロディーが流れた。
ディスプレイを見ると知らない番号だった。
「…もしもし…?」
「あ、音子ちゃーん? あたし乃亜だけどー」
相手は乃亜ちゃんだった。
「な、何で知って…」
「アンタの番号を入手する事ぐらい、乃亜にとって簡単な事なの」
簡単な事って…。乃亜ちゃんって本当何者…?
「そんな事よりさ、アンタ別れたんでしょうね?」
一瞬私の心臓がドキンと鳴った。
…なんだ、そんな事か。
「…うん…」
「あはは、マジぃ~?」
「…うん…」
「もちろん、慧には何も話してないでしょうね?」
「…それは大丈夫。話してないから…」
話せる訳がない…。そんな事したら慧に迷惑がかかるでしょ?
「良かった~、マジ音子ちゃん最高だわ」
…何が…何が最高なのよっ…。私は最低…なんだから…。
「あ、乃亜と付き合う様に言ってくれた?」
「…」
それも言える訳ない…。だって大好きな人が他の女の子と…だなんて…考えたくもないっ!
「…ねぇー、言ってないでしょ?」
「…うん…」
「何やってんの!? また痛い目見たい訳!?」
「っ!! それは…」
「…まぁいいわ、自分でやるから」
「…ごめん」
「ふん、じゃあね、音子ちゃん」
ブチッ…。ツーツー。
「…はぁ、何謝ってんだろ…私」
虚しくケータイだけが光っていた。
私は何も考えたくなくて、そのまま眠りに着いた。
いつか、この傷が癒えると思うから、今は何も考えないでいたい…。