俺様☆キング
狂変
【音子side】
放課後少し保健室の先生に用事があり保健室に行った。
保健室ではカーテン越しのベッドで二人の影が見えた。先生かな?って思って少し待ってたら会話が聞こえた。
「いいぜ、乃亜。俺達付き合おう」
えっ!? この声…慧!? 一緒に居るのは…乃亜ちゃん…なの?
「えっ!?」
「んだよ、嫌なのか?」
「ううん!! 超嬉しい! 大好き慧っ!」
「俺も…愛してる…」
二人の会話が、まるで鈍器の様に私の胸を打ち付けた。気付いたら私は保健室から飛び出していた。
な、なんだ…ほら、やっぱり乃亜ちゃんと上手くいってるんじゃん…。慧は私の事なんて、これっぽっちも未練すら抱いてない。
悲しくもない! 全然慧なんていなくても大丈夫だもん! なのに…なんで涙が止まらないの…?
ドンッ。思いっ切り誰かとぶつかった。その衝撃で私は尻もちをついてしまった。
「…いった…」
「わりぃ…って束岡…?」
見上げると慧と付き合う前に、ほんの少しだけ付き合ってた…及川光輝君が立っていた。
「…あ…」
光輝君は私以外に一杯浮気してた。ようはヤれれば誰でも良いって人だ。
「なんだお前…泣いてるのか?」
「えっ!? 別に…」
次の瞬間、光輝君は私をヒョイっと持ち上げた。
「えっ!? ど、どこ行くの!?」
「は? 保健室に決まってんだろ」
ほ、保健室!? 今保健室に行ったら慧と乃亜ちゃんが!?
「いい! 降ろして!」
私は手足をバタつかせて抵抗した。
「お、おい…暴れんなっ…わ、分かったよ、保健室には行かねぇ…」
「あ、ありがと…」
保健室には行かなかったけど光輝君は私を抱きあげたまま空き教室に連れて行った。
そして泣いてる訳を聞かれた。そもそも光輝君を信用なんてしてないけど…なんか光輝君が今日初めて優しく思えたから…慧の事を全て話した、もちろん乃亜ちゃんの事も…。
光輝君は私が泣いてる間ずっと背中をさすってくれた。まるで前の光輝君の姿はそこには無かった。
「辛かったんだな…束岡」
「…うん…」
「…あの時、俺が心を切り替えてれば…お前にこんな思いさせなかったのにな…ごめん」
何…光輝君は何言ってんの…?
「俺…あれから心改めたんだ…。今は一途な恋愛してる。この前振られちゃったけどな…」
そう言って光輝君は自分の後頭部を掻き苦笑いを浮かべた。
「俺には…どうする事も出来ない…本当にごめん…」
「ううん…光輝君は悪くないよ? 私が慧の事を忘れれば良いだけの話だから…」
「…なぁ、俺とまた付き合うか…?」
「え…」
「…なーんて冗談…じゃあ俺バイトあるから…気をつけて帰れよ?」
そう言って光輝君は教室を出た。
…『…なぁ、俺とまた付き合うか…?』…真剣な顔だった。光輝君…本当にごめんね…。
しばらく私は空き教室に一人でいた。
-次の日-
昨日、家に帰ったのは20時頃だった。外が暗くなるまで空き教室にいて遂には先生に見つかって帰らされた。
家に帰ってからも放心状態で今日は余り睡眠がとれていない。
ふと廊下をボーっとして歩いてたら遠くからカップルらしき二人が歩いてきた。
「ねぇ~、今日デートしようよぉ」
「は? しねぇよ」
デートの約束か…。なんかふと慧の事を思い出してしまった。私も別れる前にやたらデートに誘ったな…懐かしいな…。
って、また慧の事ばっかり考えてる!? これじゃあダメなんだってっば…。いい加減、慧を忘れないと…。
「あれぇ~? 音子ちゃーん?」
名前を呼ばれて下を向いてた目線をあげると目の前には仲良く腕を組んで立っていた、乃亜ちゃんと…慧…。
「…あ、…と…」
どうしよ、よりによって遠くを歩いてたカップルが二人だったなんて…。
「ねぇねぇ、音子ちゃん、私ね、慧を付き合う事にしたんだぁ」
「…そう…なんだ」
「慧ね、今になってやーっと乃亜の魅力に気付いたんだよ? 遅いーって感じ。まぁ前の彼女に洗脳されて気付かなかったんだよねぇ、慧。今はもう慧は乃亜に夢中♪ 元カノなんて眼中にないんだよねぇ、慧?」
「…あぁ、あんなクソみたいな女、興味なんてねぇよ」
次の瞬間、慧の言葉を疑った。『あんなクソみたいな女、興味なんてねぇよ』…頭の中が真っ白になった。どう対応すればいいのか、言葉も出ない…。ただただ頭の中を何回も慧の言葉がグルグル回っているだけだった。
『あんなクソみたいな女、興味なんてねぇよ』
気付いたら、その場から走り出していた。
慧が、そんな事言う訳ない! 絶対…言わないもん! …私の事好きって言ってくれたもん…。あれも嘘だったの…?
慧…どうして…。
放課後少し保健室の先生に用事があり保健室に行った。
保健室ではカーテン越しのベッドで二人の影が見えた。先生かな?って思って少し待ってたら会話が聞こえた。
「いいぜ、乃亜。俺達付き合おう」
えっ!? この声…慧!? 一緒に居るのは…乃亜ちゃん…なの?
「えっ!?」
「んだよ、嫌なのか?」
「ううん!! 超嬉しい! 大好き慧っ!」
「俺も…愛してる…」
二人の会話が、まるで鈍器の様に私の胸を打ち付けた。気付いたら私は保健室から飛び出していた。
な、なんだ…ほら、やっぱり乃亜ちゃんと上手くいってるんじゃん…。慧は私の事なんて、これっぽっちも未練すら抱いてない。
悲しくもない! 全然慧なんていなくても大丈夫だもん! なのに…なんで涙が止まらないの…?
ドンッ。思いっ切り誰かとぶつかった。その衝撃で私は尻もちをついてしまった。
「…いった…」
「わりぃ…って束岡…?」
見上げると慧と付き合う前に、ほんの少しだけ付き合ってた…及川光輝君が立っていた。
「…あ…」
光輝君は私以外に一杯浮気してた。ようはヤれれば誰でも良いって人だ。
「なんだお前…泣いてるのか?」
「えっ!? 別に…」
次の瞬間、光輝君は私をヒョイっと持ち上げた。
「えっ!? ど、どこ行くの!?」
「は? 保健室に決まってんだろ」
ほ、保健室!? 今保健室に行ったら慧と乃亜ちゃんが!?
「いい! 降ろして!」
私は手足をバタつかせて抵抗した。
「お、おい…暴れんなっ…わ、分かったよ、保健室には行かねぇ…」
「あ、ありがと…」
保健室には行かなかったけど光輝君は私を抱きあげたまま空き教室に連れて行った。
そして泣いてる訳を聞かれた。そもそも光輝君を信用なんてしてないけど…なんか光輝君が今日初めて優しく思えたから…慧の事を全て話した、もちろん乃亜ちゃんの事も…。
光輝君は私が泣いてる間ずっと背中をさすってくれた。まるで前の光輝君の姿はそこには無かった。
「辛かったんだな…束岡」
「…うん…」
「…あの時、俺が心を切り替えてれば…お前にこんな思いさせなかったのにな…ごめん」
何…光輝君は何言ってんの…?
「俺…あれから心改めたんだ…。今は一途な恋愛してる。この前振られちゃったけどな…」
そう言って光輝君は自分の後頭部を掻き苦笑いを浮かべた。
「俺には…どうする事も出来ない…本当にごめん…」
「ううん…光輝君は悪くないよ? 私が慧の事を忘れれば良いだけの話だから…」
「…なぁ、俺とまた付き合うか…?」
「え…」
「…なーんて冗談…じゃあ俺バイトあるから…気をつけて帰れよ?」
そう言って光輝君は教室を出た。
…『…なぁ、俺とまた付き合うか…?』…真剣な顔だった。光輝君…本当にごめんね…。
しばらく私は空き教室に一人でいた。
-次の日-
昨日、家に帰ったのは20時頃だった。外が暗くなるまで空き教室にいて遂には先生に見つかって帰らされた。
家に帰ってからも放心状態で今日は余り睡眠がとれていない。
ふと廊下をボーっとして歩いてたら遠くからカップルらしき二人が歩いてきた。
「ねぇ~、今日デートしようよぉ」
「は? しねぇよ」
デートの約束か…。なんかふと慧の事を思い出してしまった。私も別れる前にやたらデートに誘ったな…懐かしいな…。
って、また慧の事ばっかり考えてる!? これじゃあダメなんだってっば…。いい加減、慧を忘れないと…。
「あれぇ~? 音子ちゃーん?」
名前を呼ばれて下を向いてた目線をあげると目の前には仲良く腕を組んで立っていた、乃亜ちゃんと…慧…。
「…あ、…と…」
どうしよ、よりによって遠くを歩いてたカップルが二人だったなんて…。
「ねぇねぇ、音子ちゃん、私ね、慧を付き合う事にしたんだぁ」
「…そう…なんだ」
「慧ね、今になってやーっと乃亜の魅力に気付いたんだよ? 遅いーって感じ。まぁ前の彼女に洗脳されて気付かなかったんだよねぇ、慧。今はもう慧は乃亜に夢中♪ 元カノなんて眼中にないんだよねぇ、慧?」
「…あぁ、あんなクソみたいな女、興味なんてねぇよ」
次の瞬間、慧の言葉を疑った。『あんなクソみたいな女、興味なんてねぇよ』…頭の中が真っ白になった。どう対応すればいいのか、言葉も出ない…。ただただ頭の中を何回も慧の言葉がグルグル回っているだけだった。
『あんなクソみたいな女、興味なんてねぇよ』
気付いたら、その場から走り出していた。
慧が、そんな事言う訳ない! 絶対…言わないもん! …私の事好きって言ってくれたもん…。あれも嘘だったの…?
慧…どうして…。