恋愛の条件
「ヤダ……ハァ……聞こえちゃう……」

「クス、それが?」

「そ、れがって……ぁ」

中を締め付けながら、奈央は修一から逃れようと身体をよじらせる。

「まだ抵抗してんの?」

「だって……」

ここじゃイヤと言っても聞き入れてもらえるはずがなく、一層指の挿入を深くする。

溢れてくる蜜は内壁と指の間で空気を含んだ水音をたて、嬌声とともに玄関にこだました。

自分でもわかる。そこはもうすでに潤い、恥ずかしいまでに締め付けていることを。

奈央は涙目になり懇願する。

「くっ……その顔逆効果だって……」

吐かれた台詞が理解できないが、歪めた笑いから修自身も自分に感じて熱くなっていると思うと、また奥がぎゅっとなる。


< 110 / 385 >

この作品をシェア

pagetop