恋愛の条件


「5時かぁ……何やってんだろ……」

まだ薄暗い部屋の中、奈央は修一の腕の中にいた。

三年前と比べ、更に逞しく引き締まった身体は居心地がよく、奈央はこのままずっとこの腕に包まれていたいと願ってしまう。

(何であんな風に私に触れるの?また期待、しちゃうじゃない)

奈央は自分を戒めるように起き上り、気持ちよさそうに寝息をたてているこの男の横顔を見つめた。

(相変わらず寝顔はかわいいなぁ……)

三年前もこうやって修一の寝顔を見つめていた。

今と違うのは……

あの時は一緒にいるだけですごく幸で、時が永遠に止まってしまえばいいと思ってた。

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