恋愛の条件
わかっていたはずなのに何を期待したというのだろうか。

期待?

期待なんてしない。

ただ心が、身体が、修一を覚えていた。

本能が抵抗することを拒否したのだ。

(何やってんだろ……)

奈央はベッドから出て修一を起こさないように服を着た。

部屋をそっと出て行こうとした時、修一が目を覚ました。

「奈央……?」

「(ドキン)あっ……起しちゃった?」

「何?帰んの?」

修一は身体を起こし、不機嫌そうに尋ねた。



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