恋愛の条件
研修期間後、奈央は、営業部一課へ配属され、営業の事務補佐に、沙希は、当初技術チームに回されるはずだったが、どう手を回したのだろうか、蓋を開けば経営企画部に配属された。

情報処理の資格を数多く持つ修一は、MITでのインターンシップ経験も考慮され、開発部の技術チームへと配属された。

奈央や沙希は残業も少なく、比較的定時で上がれることが多いが、技術チームへ配属された修一は、ほぼ毎日が残業で、酷い時には、家に着くのは、日をまたぐこともあった。

大きなクライアントをかかえこむと、泊まり込みになることも多く、奈央や沙希たちですら、2週間修一の顔を見ないということもあった。

沙希いわゆる、「むさくるしい寝不足軍団」だ。

ただ、奈央が会うときの修一は、専ら居酒屋でだが、いつも爽やかで、むさくるしさは見られない。

一睡もしてねぇ、なんて言いながら、軽くビールを一気飲みしていた。

若さゆえだったのかもしれない。
奈央の贔屓目だったのかもしれない。

奈央の瞳に映る修一は、いつも奈央の心をときめかせた。

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