恋愛の条件
そして、最初の転機が訪れたのは、入社一年目の冬。

その時から、修一は少し変わったのかもしれない。

同期で忘年会を開いたときだった。

修一の様子がおかしかった。

どこか、疲れていて、話も上の空。

後でわかったことだったが、彼女と別れたらしい。

理由は、社会人一年目によくある、すれ違い。

殺人的なスケジュールをこなしていた修一が彼女と会える日はごくわずか。

たまに時間があっても、同期の奈央たちと飲みに行くことの方が多く、そんな修一に対して、彼女の方が彼から離れた。


「男ができたらしい」


そう小さく呟いていた。

奈央としては、絶好のチャンス。

---の筈が、奈央の腰は重かった。

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