恋愛の条件
同期として一緒にいることが心地よく、告白してその関係が崩れるのが怖かった。

もし仮に彼女になれたとしても、修一の彼女はかなり忍耐が必要だ。

そう、彼はモテるのだ。

今まで許された、同期・同僚としてのわがままが許されなくなるような気がした。

同期だから、気軽にお昼も一緒にいける。

疲れているとわかっていても、無理矢理飲みにも誘える。

彼を独占したい、と思いながらも、この距離を保ちたいという矛盾。

この時は、臆病というより、戸惑いの方が大きかったのかもしれない。

奈央が経験する初めての感情だった。

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